「おや?西武さん?珍しいですねぇ!貴方がここに居るなんて」
「・・・・・っ」
「???どうかされましたか?」
「・・・・・っ」
「西武さん?」
「副都心・・・・」
「はい?」
「・・・私は今・・・、衝撃を受けている」
「はぁ?」
「・・・・ここは和光市だ」
「ですねぇ・・・、それが?」
「和光市には東武の車両がある」
「・・・・まぁ、東武さんの管轄の駅ですからねぇ」
「私は見たのだ」
「????見たって???」
「車両だ」
「・・・車両?」
「東武の車両だ」
「・・・・・・ふーん・・・・?
まぁ、貴方のおっしゃるとおりここは和光市ですから、
そりゃー東武さんの車両だらけでしょうよ・・・、なにせ和光市ですから」
「・・・・転寝をしていたのだ」
「転寝?」
「気がついたら私はここに居た」
「そうですか(あれ??話が飛んでる気が・・・?)」
「急ぎ池袋に戻ろうとしたら運悪く東武の車両の『新木場』行きが来たのだ」
「へぇ?(ん?飛んでないのかな??)」
「東武はなにやら有楽町と楽しげにおしゃべりをしていた」
「・・・・・」
「『仕事をサボるとはいいご身分だ』と嫌味を言おうと、
私は東武たちのいる車両の2両後ろから近寄ろうとした」
「・・・・随分こ面倒くさいことをなさいますね」
「驚かせようとしたのだ!背後から突然現れたほうがビックリするだろう!?」
「・・・・・ご最もですけどね」
「そしてその時だ!」
「?」
「私は衝撃を受けたのだ!
東武の車両に・・・・車両に・・・・・」
「???車両に?」
「『おじさんペコリ』が復活していたのだーーー!!」
「・・・・おじさんペコリ?」
「液晶画面だ!」
「液晶・・・?・・・・!ああ!アレですか!」
「そうだ!その昔、東武の車両には液晶があった!
だが劣化が激しく撤去されたはずなのだ!
なのにさっきの車両にはそれがあった!しかも前よりも格段に良くなって、だ!
私のこの衝撃が貴様にわかるか!?いーや!わかるまい!!」
「・・・・分かりたくもないですけど」
「なに?!」
「いいえー!なんでもないです☆」
「東武の車両の液晶復活!それからナンバリング!
アイツはだんだんと変わっていく・・・・」
「・・・アイツって東上さんですよね?」
「他に誰が居る!?」
「・・・・誰が居るって・・・(東武さん全体でそんな感じに変わってるんですけど)」
「アイツは垢抜けないままがお似合いなのだ!」
「・・・・はあ?」
「垢抜けないまま私にキャンキャンと吠え掛かってくるのがお似合いなのだ!
それなのに・・・それなのに・・・・・」
「・・・・・・」
「私は認めん!断じて認めんぞ!
液晶もナンバリングも!私は認めん!」
「認めんって言われましてもねぇ・・・誰にも止められませんよ?」
「それでも私は認めんのだ!
その証拠に私は絶対にはナンバリングやらん!」
「・・・でも液晶はやるわけですよね?というかもうやってますよね?」
「それはお客様の利便性のために、だ!」
「・・・それに西武さんの液晶もおじさんペコリしてますよね?」
「おじさんではない!おにいさんだ!」
「・・・・あまり変わらないと思いますけど」
「全然違うわ!とにかく私はみとめんぞーーーー!
こうはしていられん!早速東武を捕まえて問いたださねば!」
「・・・問いただすって何をですか?」
「液晶の再導入とナンバリング開始の真意をだ!
まぁ、アレは素直ではないから身体に直接聞きだすことになるだろうが・・・」
「身体に直接・・・?って・・・、あれ??それって・・・」
「よし!思いたったが吉日!丁度『渋谷』行きも来たことだし、行くぞ!副都心!」
「え~??僕もですかぁ??(痴話げんかに巻き込まれたくないんですけど?)」
「(なんか背筋に悪寒が・・・)」
「東上?」
「あ、悪い」
「どうかしたのか?なんか顔色が悪いぞ?」
「んー・・なんでもねー・・、ただちょっと悪寒が・・・」
「悪寒??風邪か?」
「いや・・、風邪の悪寒っぽくねーんだよな・・・。
なんつーか、不吉な予感の前触れみたいな?」
「あー・・・、俺にも経験あるかも。
(特にお前と西武が喧嘩する直前によく、とか言えないけど)」
「で、さ、有楽町」
「うん?」
「この液晶、どうかな?」
「うん、良いんじゃないか?前の時と比べて劣化もしにくそうだし」
「だよな!時代の進歩ってすごいよな~」
「そうだな・・・、でもやっぱ東上んところの『おじさんぺこり』が一番だよな~」
「おじさんペコリ?」
「そう・・・、あ!これこれ!」
「これ?」
「前は東武と営団で制服が変わってたけど今回はどうなんだ?」
「・・・あー・・、どうなんだろ?俺もまだ詳しくは知らねーんだ」
「そうなのか?でも東武の制服は着てるし、メトロ版も期待できそうだよな」
「今は大して制服が違わねーし変わんねーんじゃね?」
「そうかな~?あー・・でもやっぱ東上のこれが一番安心する」
「さっきも言ってたよな?なんで?」
「・・・だって可愛いだろ?」
「可愛い?」
「ちょっと丸くて狸っぽくてさ」
「狸って・・・・、まぁ、確かに丸いけど」
「西武のはスリムなんだよな。まぁ、アレはアレでいいんだけど・・・」
「西武か・・・(ん?さっきより悪寒が・・・)」
「東上?」
「・・・なんでもねー・・・。それでさ、今度から始まるナンバリングなんだけど」
「そうだったな!」
「これが資料な?俺もまだよく読んでねーから詳しくは教えてやれない」
「そうなんだ?じゃ、せっかくだし一緒に読むか?」
「・・・・だな。メトロのお前に覚えてもらうってのも変な話だけど」
「まぁ、俺たちも東上の路線を走るからな・・・、当然なんじゃないかな」
「・・・・」
「東上?どうした?変な顔して」
「・・・いや、さ、やっぱお前って苦労性だな、って思って・・・」
「・・・・東上・・・、それは余計なお世話かも」
「悪い・・・・」
『あとがき』
これ以上続けると西武池袋×東上のムフフなシーンになるのでやめました!
