~トイレ~
「・・・・む?」
「げっ」
「なんだ、貴様。何用だ?」
「何用って、トイレに来てんだから用をたしにきたに決まってんだろ!?」
「はっ!万年極貧路線が、出すものがあるほど喰うものを食べられているのか?」
「!!!食費に困るほど極貧じゃねー!」
「どうだかな!
・・・まぁ、いい。貴様がここのトイレを使うなど珍しいではないか」
「・・・・今日は暑かったからな。
熱中症にならないように水分を沢山取ったらトイレが近くてさ」
「・・・ふむ。
極貧路線は倒れたりしたらそれこそ終わりだからな、良い心がけだ。
だかトイレが近くなるほど水を飲むとはまだまだ甘いな!」
「うっせーよ!!そういうお前だって俺と同じ理由でここに居るんじゃねーのか!?」
「!!??・・・わ、私はそんな理由ではない・・・。
ただ暑いから顔を洗おうとしただけだ・・・・」
「・・・・ふーん?」
「貴様・・・、東武・・・。その顔は信じていないな?」
「・・・べっつにぃ?・・・って、あれ??
ここのトイレしばらくこないうちに改装したのか?」
「・・・そのようだな。
いつの間にか和式から洋式に切り替わっていた」
「・・・よーしき?」
「和式には和式のよさがあるが、匂うからな。
その点、洋式は・・・・、東武?」
「・・・・・」
「貴様、どうした?何を硬直している?」
「・・・西武」
「なんだ?」
「・・・・これ、さ」
「??ああ・・・」
「どうやって使うんだ?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・、は?」
「だーかーら!このトイレ!!どうやって使うんだよ??」
「・・・どうやって、とは?」
「・・・まず第一に『穴』がねーじゃん!」
「・・・・・・穴・・・?ああ、貴様の家はまだボットンなのか?」
「!!なっ!!ちっげーよ!!何年か前に水洗に変わった!!」
「ほぉ?」
「本当だからな!!」
「・・・・ふん。まぁいいわ。それで?貴様の言う『穴』とは?」
「・・・・ボットンじゃなくてもトイレには穴・・・、
水がたまってる場所があるだろ?」
「・・・・確かにあるが?」
「これ、それがねーじゃん?
表面がツルツルだし・・・、その・・・どうやって用をたすんだ?」
「・・・・東武」
「な、なんだよ?」
「・・・それは本気で言っているのだよな?冗談ではないな?」
「なんで俺がお前に冗談を言うんだよ!?」
「確かにそうだが・・・、貴様・・・、洋式を知らんのか?」
「・・・よ、・・よーしき???」
「・・・・・・」
「・・・・・っ」
「・・・・知らんのだな?」
「・・・う、うるせーな!!だったらなんだって言うんだよ!?」
「・・・・・ふぅ」
「ため息つくな!!」
「・・・・こんな時までいきがるな。
知らないのであれば素直に言えばいいものを・・・・、ほら」
「なんだと!!・・・・・って、あ・・・」
「洋式トイレはこの蓋を開ければ『穴』が出てくるのだ」
「!ほんとだ」
「・・・男が用をたす時は、更にこの内蓋を開ける」
「へー・・・・」
「水を流すのはこのレバーだ」
「・・・・ふーん」
「・・・そして洋式トイレにはさらにもう一つ、利点がある」
「もう一つ?」
「そうだ。この内蓋を下げてその上に座る」
「ふんふん?」
「そして・・・・」
「!!うわっ!!」
「・・・恋人を膝の上に座らせる」
「こ、恋人って・・・ちょ・・・・、んぅ???」
「・・・・・っ、・・狭いし・・・密室だ。
イチャつくにはもってこいの場所になったと思わないか?」
「・・・・、お、おもわねーよ!!だからちょっと待てって!!」
「ここまで私をその気にさせておいて、待ったはないだろうが」
「その気ってなんだよ!!俺は何もしてねーよ!」
「・・・洋式トイレを知らず、首を傾げている姿は可愛かったぞ?」
「!!!な、なななななな・・・・」
「そんな貴様を見て、私のココはこんなだ・・・」
「!!!!は?ちょ・・・おま・・・なんでそんなに興奮・・・」
「なにもかも貴様が可愛いのが原因だ。
・・・・責任は取ってもらうぞ・・・・東上?」
「い、池・・池袋・・・・!やめろ・・って!!わ・・・うわわ・・」
「こう狭い場所では自慢の腕力もいかせないな・・・?」
「・・・はぁ・・・はぁ・・・うるせ・・・ん???
やめ・・・ろって・・・、あっ・・・、はな・・せ・・・!!」
「ここで放したら私はただの『いい人』だ。
私はいい人はやめたのでな・・・・・」
「ぎゃーー!!お前は・・・、っ・・・、
昔ッから・・・・く・・・っ、ヤなやつ・・・だろーが!!・・・ふぁっ」
「・・・それは最高の褒め言葉だ」
「ほめ・・ほめて・・・ねーよ・・・・っ」
「・・・もう黙れ」
「・・・ふ・・・・んんぅ・・・・」
・・・・その後、東上は洋式トイレがしばらく怖かったらしい・・・。

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